◇◆あじさい◆◇
沙織は、子供を実家に預けてきたからと、和也と共に先に帰った。


『俺らもそろそろ行こうか?』


『…ぅん。そうだね。』



私と裕介が席を立つと、とっつぁんママは寂しそうな顔をしながら頷いた。



『また、いつでも来なよ?ねっ?』


とっつぁんママは確認するかの様に聞き返した。


『はい。また来ます。』


私達はクチを揃えた。



とっつぁんは、沙織達を見送るとすぐ、酔い潰れて、カウンターの隅で眠ってしまった。



私は、とっつぁんの寝顔に『おやすみ。』と小声で言うと、店をあとにした。
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