◇◆あじさい◆◇
〜偶然と必然〜
あれから2週間程して、
私はたまたま入った本屋で、偶然にもバッタリとっつぁんに出くわした。



仕事の帰りだった為、自然の流れで家までの道のりを、私達は久しぶりに歩いた。



『…なんか懐かしいね。
二人でこうやって歩くの…。』


私はちょっぴり嬉しかった。



『そぉ〜だなぁ〜。
俺らぁ、こんな近くにいて、卒業してから一度も会わなかったのが不思議だなぁ?』



とっつぁんも、しみじみと語った。



『…ぅん。』


私達は、ゆっくり、ゆっくりのペースで歩いた。



『…俺、間違ってたのかなぁ…。あん時、お前らから離れた事…。』



私はふと、足を止めた。



『…これまで、一瞬も…、お前らの事、忘れた事なかったよ。』



振り向いたとっつぁんの笑顔が、急に愛おしく感じた。




『…とっつぁん…。』




『…でもまぁ、
また会えてよかったよ。
俺マジ嬉しかった。

クラス会の夜、内心不安だったんだ…。

…だけど、自分から離れたくせに、どうしてもお前らに会いたくて…。

わがままだよなぁ〜。

そんな俺を、お前らが昔みたいに、受け入れてくれるなんて思ってもなかった。

マジ、ありがとなっ!』



とっつぁんは、嬉しそうに笑った。


私も、心から喜びを感じていた。
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