◇◆あじさい◆◇
そうして週末、私達は和也と沙織の住むマンションへ集まった。


私と沙織が鍋の準備を始めると、和也は心五をあやしながら、とっつぁんと裕介に缶ビールを出し、飲み始めた。



『ちょっとぉ〜!
パパ早いんじゃなぁい?
鍋なんてすぐなのに、どぉ〜して待てないかなぁ〜?』



最初は慣れなかったけれど、この頃には沙織が和也の事を『パパ』と呼ぶ事にも違和感は感じなくなっていた。




『おぃおぃ〜。お前の母ちゃん父ちゃんより立場上だぞっ!』


とっつぁんが、心五の顔を撫でながら言うと、心五は『きゃははっ』と声にして笑った。



『おっ?お前分かんのかっ!?』


とっつぁんが話し掛ける度に、心五はニコニコと笑った。



そんな姿を、私達他の四人は、ほほえましく見ていた。
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