◇◆あじさい◆◇
3月の澄み切った空の中、私達三人が公園へ向かうと、砂場で遊ぶ沙織と心五の姿が見えた。

裕介は、小さなスコップを手にそれを見つめていた。



『あぁ〜っ!
パパ〜っ!!』



私達に気付いた心五は、大きく手を振った。






『なんだお前っ!?

ちと、急に背ぇ伸びたんじゃねぇ〜のっ!?

先週見た時より、

1…、

いやぁ〜2㎝は伸びたぞっ!』



とっつぁんは、心五の頭に手をやると顔をクシャクシャにして笑った。



『おにぎり いっぱい たべたもぉん!』



心五が元気に答えると、私達は一瞬驚き、大笑いをした。






『さっ、始めるか!?』



裕介の言葉に、私達の胸は弾んだ。
< 216 / 223 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop