◇◆あじさい◆◇
『あったぁ〜っ!!』
突然、和也の声が響いた。
私達は、ドームへと駆け寄った。
裕介が手にしていたそれは、缶が真っ黒に変色はしていたが、間違いなく、10年前のあの日、私達が埋めたタイムカプセルだった。
『興奮して手が震えるよ。
和也。お前が開けろっ。』
裕介がタイムカプセルを和也に渡すと、錆ついてなかなか開かない蓋を、スコップの先で一気に開けた。
蓋が開いた瞬間、
スローモーションがかかったかの様に見えた。
中からは、
五色のお守りと、一枚の写真…。
そのお守りに、
私と沙織はハッとした。
それぞれの紐が、
全て一つに結ばれていた。
『えっ!?これ…、』
沙織がそれに気付くと、和也は笑みを浮かべた。
『とっつぁんが結んだんだよ…。タイムカプセル埋める直前。』
私は、なんだか涙が出そうになった。
『…ほんと?』
『そぉ〜だったかぁ〜?』
私の問いに、彼はわざとらしく惚けた振りをした。
皆が優しい笑みを浮かべていた。
『これだぁ〜れぇ〜?』
心五は、写真を指差した。
『…これねぇ、
風ちゃんと、風ちゃんのお母さんなんだよ。』
私は写真を手に取り、心五に見せた。
『ちがうよぉ〜!』
心五は私を見て、不思議そうに答えた。
『これ、風ちゃん赤ちゃんだったからぁ〜。心五、わらんないよね…?
…でもね。
風ちゃん…、
大好きだったんだぁ…。
お母さん。』
『…ずっと、
私達の事、
見守ってくれてる様な気がする。
風花の…
お母さん。』
沙織の言葉に、
心がとても温かくなった。
『うん。
…そう、信じてる…。』
とっつぁんは、
私の頭をクシャクシャにした。
3月の
澄み切った空の下
私達の『絆』は
あの頃と変わらず
今もここに
息づいている…
突然、和也の声が響いた。
私達は、ドームへと駆け寄った。
裕介が手にしていたそれは、缶が真っ黒に変色はしていたが、間違いなく、10年前のあの日、私達が埋めたタイムカプセルだった。
『興奮して手が震えるよ。
和也。お前が開けろっ。』
裕介がタイムカプセルを和也に渡すと、錆ついてなかなか開かない蓋を、スコップの先で一気に開けた。
蓋が開いた瞬間、
スローモーションがかかったかの様に見えた。
中からは、
五色のお守りと、一枚の写真…。
そのお守りに、
私と沙織はハッとした。
それぞれの紐が、
全て一つに結ばれていた。
『えっ!?これ…、』
沙織がそれに気付くと、和也は笑みを浮かべた。
『とっつぁんが結んだんだよ…。タイムカプセル埋める直前。』
私は、なんだか涙が出そうになった。
『…ほんと?』
『そぉ〜だったかぁ〜?』
私の問いに、彼はわざとらしく惚けた振りをした。
皆が優しい笑みを浮かべていた。
『これだぁ〜れぇ〜?』
心五は、写真を指差した。
『…これねぇ、
風ちゃんと、風ちゃんのお母さんなんだよ。』
私は写真を手に取り、心五に見せた。
『ちがうよぉ〜!』
心五は私を見て、不思議そうに答えた。
『これ、風ちゃん赤ちゃんだったからぁ〜。心五、わらんないよね…?
…でもね。
風ちゃん…、
大好きだったんだぁ…。
お母さん。』
『…ずっと、
私達の事、
見守ってくれてる様な気がする。
風花の…
お母さん。』
沙織の言葉に、
心がとても温かくなった。
『うん。
…そう、信じてる…。』
とっつぁんは、
私の頭をクシャクシャにした。
3月の
澄み切った空の下
私達の『絆』は
あの頃と変わらず
今もここに
息づいている…