◇◆あじさい◆◇
『…あそこに居たんだ…。お前…。』
『…えっ??』
私は、彼の言っている意味も、此処に来た理由も、分かっていなかった。
『…昔、
お前の母ちゃんと、
一度だけ話した事あんだ…。』
私は、驚きのあまり声にならなかった。
『…中学ん時になぁ…。
俺…、わざと遅刻してって、お前んち行ったんだ…。
裕介の、あん時の後だよ。
お前の母ちゃんに、
「風花は、ホントは友達かばって嘘ついたんだ〜」って…。
「あなた…、
優しい子だ…。」
って言われたよ。
そん時、
お前の母ちゃん…、
ホントに嬉しそうに笑った…。
そん時だよ。
お前の生い立ち聞いたの…。
「血が繋がってなくても、親子だから似るんだね…。」
って…。
ただ、素直になれなかっただけなんだ…。
お前も、…お前の母ちゃんも…。
此処で出会ったんだ。
…母ちゃんと…。』
私は、
彼と母との間に、そんなやり取りがあった事を初めて知った。
そして、
私が両親の実の子ではない事を、彼はずっと前に知っていた事…。
私は、彼の背中を抱きしめた。
『…えっ??』
私は、彼の言っている意味も、此処に来た理由も、分かっていなかった。
『…昔、
お前の母ちゃんと、
一度だけ話した事あんだ…。』
私は、驚きのあまり声にならなかった。
『…中学ん時になぁ…。
俺…、わざと遅刻してって、お前んち行ったんだ…。
裕介の、あん時の後だよ。
お前の母ちゃんに、
「風花は、ホントは友達かばって嘘ついたんだ〜」って…。
「あなた…、
優しい子だ…。」
って言われたよ。
そん時、
お前の母ちゃん…、
ホントに嬉しそうに笑った…。
そん時だよ。
お前の生い立ち聞いたの…。
「血が繋がってなくても、親子だから似るんだね…。」
って…。
ただ、素直になれなかっただけなんだ…。
お前も、…お前の母ちゃんも…。
此処で出会ったんだ。
…母ちゃんと…。』
私は、
彼と母との間に、そんなやり取りがあった事を初めて知った。
そして、
私が両親の実の子ではない事を、彼はずっと前に知っていた事…。
私は、彼の背中を抱きしめた。