◇◆あじさい◆◇
私は小さく頷いた。



『父さん達は、決して自分が恥ずかしい思いをするから、風花にこんな話をしてるんじゃない。

風花自身が、顔を上げて生きて行けるよう、ただそれを願ってるんだ。分かるね?』




父は、最初から私の目を見続け、一度も反らす事なく話を終えた…。




私が、また小さく『…はい。』と答えると、父は【ぅんぅん】と頷くように部屋を出て行った。




その後、母とは顔を合わさぬまま、よっぽど疲れていたのだろうか…、いつの間にか眠っていたようだ…。
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