PRINCESS story

琴葉が、少し咳き込む。


「大丈夫?」

俺の問いかけに、琴葉は頷く。

しかし、その顔は少し苦しそうだ。


とりあえず、早く公務を終わらせよたほうがよさそうだと思い、俺はリチャード皇太子とエレナ夫人に別れの挨拶をした。


挨拶が終わると、2人は車に乗り込み、そして、その車は報道陣に囲まれながらゆっくりと走りだした。

琴葉は笑顔で手を振っている。


でも、横に居る俺は、琴葉が苦しそうに肩で呼吸をしていることに気付いていた。



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