PRINCESS story
「また、今回は初めて妻と供に行った公務でしたが、隣に居てくれる存在が居るということは、心強く、しかし不慣れなせいか不思議な気持ちでもありました」
《琴葉様は?》
そう聞かれると、琴葉はゆっくりと呼吸を整えてから答えた。
「初めての公務でしたので、やはりとても緊張しました。
しかし、エレナ夫人が優しく気遣ってくださったおかげで、楽しくお話しさせていただきました。
至らぬ点も多かったかとは思いますが、無事終えることができてほっとしています」
報道陣からの質問が一旦途切れた。
俺は取材を終えるには今しかないと思い、報道陣に向かって言った。
「大変申し訳ないのですが、本日は予定が立て込んでおりますので…」