PRINCESS story
琴葉をベットに降ろすとほぼ同時に、河西さんが医者と共に戻ってきた。
琴葉は今もなお苦しそうに咳き込み、荒い呼吸を繰り返している。
意識は朦朧としていて、名前を呼んでも反応出来ないほどだ。
「王子、診察の間は外でお待ち下さい」
医者に言われ、俺は隣の自分の部屋へと戻った。
数分後、河西さんが部屋のドアをノックした。
「琴葉は…?琴葉は大丈夫なんですか?」
「はい……お医者様が薬をうってくださいましたので、今は落ち着きました」
「そうですか……良かった」