PRINCESS story
琴葉が目覚めないように、そっとドアを開け琴葉の部屋に入る。
いつのまに着替えたのか、さっきまで着ていたドレスではなく、部屋着を着た琴葉が、大きなベットで眠っている。
まだ少し呼吸が苦しそうなことを除けば、だいぶ落ち着いた様子だ。
また同じようなことが起きれば琴葉の命が危ない?
もし、俺が琴葉のアレルギーのことを知っていたら?
側にいた俺なら止められたのに。
そうすれば、こんな危険に琴葉をさらさなくて済んだのに。
俺が何も琴葉のことを知らないから…
自分を責めずにはいられなかった。