PRINCESS story
「琴葉ちゃん、この間の公務でずいぶんと皆に迷惑をかけてしまったみたいね?」
穏やかな口調ではあるが、いきなりあまり触れられたくないところを突いてくる。
「はい……あの、本当に申し訳ありませんでした」
「いや、別に謝ってほしくていってるんじゃないのよ。ただね…」
そこまで言うと、急に志保さんの表情が冷たくなった。
「だめな王子には、だめな妻がつくものなのね、と思って」
「えっ……?」
私は耳を疑った。
今、何て……?
突然の志保さんの変化に戸惑う私をよそに、志保さんは続ける。
「まあ、奏斗君が素晴らしい奥さんをもらえるなんて、初めから思ってなかったけど、まさかあなたみたいな子が王子妃になるなんて」