PRINCESS story
「ん…?」
ばらまかれた書類の間から、一枚の写真が姿をのぞかせていた。
見ないほうがいいのかな、と思いつつ、私は興味本意でその写真を手に取った。
そこに写っていたのは、笑顔の奏斗と、すらっと背が高くて大人っぽい女の人。
この女の人、誰だろう?
背が高くて、すらっとしていて、すごく綺麗な人。
その女の人の隣で、私に見せたことのないような笑顔を奏斗は見せている。
奏斗……こんな顔もするんだね。
私は私がまだ見たことのないその笑顔を見て、胸が締め付けられた。
ねえ、奏斗…
どうしてそんなに楽しそうなの?
私は写真の中の奏斗に、問い掛けた。