PRINCESS story

知るのは怖かった。

だけど、知りたいと思った。

このままじゃ、何も変わらないから…


「……教えてください」

私がそう言うと和也さんは一つ大きく呼吸をしてから話しだした。


「琴葉ちゃんが見つけた写真に写ってたのって、背の高い色白の女の人じゃなかった?」


私が頷くのを見て和也さんが続ける。


「それ多分、沙穂ちゃんだよ」

「さほ、さん?」

「奏斗の中学の先輩。奏斗より1つ年上で、とても綺麗な子だった」


「会ったことがあるんですか?」

「一度だけ、奏斗が宮殿に呼んだんだ」


そんなに奏斗と親密な関係だったんだ…


沙穂さんの隣に笑顔で立つ奏斗が自然と頭に浮かぶ。



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