PRINCESS story
「なんで俺じゃなくて、兄さんに…」
思っていたことが声に出てしまった。
すると、兄さんは呆れたように言った。
「奏斗、琴葉ちゃんはお前のことで悩んでるんだよ。
だから、お前に相談できないだけで、別に俺と琴葉ちゃんは変な関係じゃない」
「分かってる…」
「なあ、まだ奏斗は沙穂ちゃんを忘れられないのか?」
「なんでだよ…突然」
「いいから、答えろ」
「忘れられるはずないよ。
それに、沙穂はまだ生きてる……
沙穂は俺にとって大切な存在なんだ」