PRINCESS story
俺は封筒から紙を取出した。
そこには、こう記されていた。
『私の命は、もう長くない。
これは、私の遺言である。
奏斗が18歳になったあかつきには、三上 琴葉を、奏斗の妻として桜ノ宮王室に迎えること。
しかし、奏斗が心に決めた相手が居るのならば、この限りではない。』
「これは…?」
「久仁王の遺言だ……ここに記されているのはごく一部だが」
そんなことは聞かなくたって分かる。
それより…
「父上、まさかこの遺言の通りに?」
俺のその言葉に、父は大きく頷いた。