PRINCESS story
「やっぱり俺…琴葉のこと」
「それ以上言わないで…分かってるから」
奏斗……
『やっぱり俺、琴葉のこと愛せない』
そう言いたいんだよね……?
分かってる。そんなこと、分かってる…
気付くと、私の頬を涙が伝っていた。
なんで、私が泣いてるの?
「琴葉……」
「ごめん、何か目が痛くて…」
私は逃げるように部屋へ戻った。
泣きたいのは奏斗なのに、自分が泣くなんてばかみたい。