PRINCESS story
第三章
宣戦布告
琴葉が掛けてくれた言葉のお陰で、俺は少し楽になった。
辛いことに変わりはないけれど、過去にとらわれてたら駄目だ、前に進もう、そう思えるようになった。
でも、結局、あの日の琴葉の涙が何によるものだったのかは分からないままだ。
次の日に俺が見た琴葉は、まるで何も無かったかのような、笑顔の琴葉だった。
その吹っ切れたような笑顔の裏で、琴葉は何を思っているのだろうか?
俺には想像もつかなかった。