PRINCESS story
「琴葉ちゃん、またここに居た」
その声に振り向くと、予想通り、笑顔の和也さんが居た。
「寒いのに、風邪引くよ?」
「ここに来ると、冷静になれるんです。だから、今日も一人でここに」
「そっか………最近、奏斗どう?」
「やっと、少しだけ笑ってくれるようになりました。
奏斗なりに、前を向こうとしているのかなって、そんな気がします」
「それなら良かった……
琴葉ちゃんは、大丈夫?」
「私…ですか?」
その質問に思わず和也さんの顔を見る。
「いや…琴葉ちゃんは、辛くないのかな、と思って」