PRINCESS story

辛くない、と答えれば嘘になる。

だから、私は本当のことを言った。


「これでいいんです。
今は奏斗の傍に居れるだけでいいんだって、そう思っ…」


「もし少しでも辛いならさ、我慢せずに俺のところに来なよ」


私の言葉を遮って和也さんが強い口調で言った。


「奏斗なんかやめて、俺にしなよ」

「和也さん……?」


こんな和也さんを見るのは、宮殿に来て以来、初めてだった。


いつもの和也さんの口調は優しくて穏やかなのに、今日は少し恐ろしく感じられる。


「辛いんでしょ?俺なら、琴葉ちゃんのこと苦しめない。絶対幸せに出来る」


和也さん、何を言ってるの?




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