PRINCESS story
「和也さん、冗談はやめてください」
「俺は本気だよ。
もし、琴葉ちゃんがその気なら、宮殿を出る覚悟だって出来てる。
2人で、自由になろう?
それで、苦しむのは終わりにしよう?」
「和也さん……」
私にその気持ちは受け取れない。
「ごめんなさい。
私は…奏斗の傍に居たいんです。
それがどんなに辛くて、苦しいことだとしても」
「本当に…そう思ってる…?」
和也さんのその問いかけに私は頷いた。
「奏斗の傍に居られるなら、傷付いたっていい。
そう思えるくらい、奏斗のことが好きなんです。
奏斗を……愛してるんです」
和也さん、ごめんなさい。
これが私の本当の気持ちです。