PRINCESS story
「琴葉ちゃん…君みたいな子にこんなにも想ってもらえる奏斗は、幸せだね」
そう言った和也さんは、いつもよりも弱々しく見えた。
本当に私のことを思ってくれているのだということが、痛いほど伝わってくる。
胸が締め付けられた。
愛する人が自分を見てくれない辛さを、私は知ってる。
私は、そんな思いを和也さんにさせてしまっているんだ。
「和也さん、本当に…ごめんなさい」
「謝らないでよ。もっと惨めになる」
どう声を掛けたらいいか分からなかった。