PRINCESS story

「琴葉ちゃん…君みたいな子にこんなにも想ってもらえる奏斗は、幸せだね」


そう言った和也さんは、いつもよりも弱々しく見えた。

本当に私のことを思ってくれているのだということが、痛いほど伝わってくる。


胸が締め付けられた。


愛する人が自分を見てくれない辛さを、私は知ってる。

私は、そんな思いを和也さんにさせてしまっているんだ。



「和也さん、本当に…ごめんなさい」

「謝らないでよ。もっと惨めになる」


どう声を掛けたらいいか分からなかった。


< 202 / 399 >

この作品をシェア

pagetop