PRINCESS story
「本当は、心のどこかで分かってた。
琴葉ちゃんには奏斗しか見えてないって。
でも、言わないと諦めきれなくて」
苦しそうに、自分を納得させるかのように言う。
「…困らせてごめんね。
琴葉ちゃん、一つだけ、約束してくれないかな…」
「…約束?」
「絶対に、幸せになるって。
好きな人が幸せなら、俺も諦めがつく」
「和也さん…」
どうしてこんなにも私を思ってくれるの?
申し訳ない気持ちで、胸が張り裂けそうだった。