PRINCESS story
私だけならまだしも、家族のことまで書くなんて、ひどすぎる。
さらに、最後には、私と奏斗の不仲説まで書かれていた。
『実は政略結婚か?偽りの夫婦』
ほぼ推測で書かれたこの記事。
普段宮殿内では全く会話がない、お互い本当は別に好きな人が居る。
こんなことを見ず知らずの人に推測だけで書かれるなんて、許せなかった。
同時に、あまりのショックで全身の力が抜けてしまい、床に座り込んだ。
だんだんと怒りよりも悲しみが込み上げてきたが、放心状態で涙さえ溢れてこない。