PRINCESS story
宮入り
朝……
いつものように、私は部屋の窓から桜を眺める。
この桜を見るのも、今日で最後になってしまうのかな。
「おはよう」
一階に降りていくと、そこにあるのはいつもと変わらない風景。
蓮にぃが台所で朝食の準備をし、父はテーブルで新聞を読んでいる。
「琴葉、おはよう」
「おはよう」
2人とも笑顔で私に挨拶をしてくれた。
このあったかい家族の幸せは、もう一生味わえないのかもしれない…
今日が、最後…