PRINCESS story
「何してた…?」
相手が兄さんだと聞いて、自分がカッとなっているのが分かる。
「何もしてない…」
「本当に?」
「本当だよ……奏斗…お願い。信じて」
琴葉の必死な目にはっとした。
その目は嘘を付いている目じゃなかった。
「ごめん…分かってる。
冷静になれてなかった」
俺は、一度深呼吸置いてから、記事を読み進めた。
すると、次はこんな見出しだった。
『父子家庭の令嬢の本性』
父子家庭…?
「琴葉、これは…?」