PRINCESS story
「琴葉、ごめんな」
「どうして、お父さんが謝るの?お父さんは何も悪くないじゃない」
「でも、何もしてやれなかった。
母さんが居なくなってから、辛い想い、寂しい想いをたくさんさせた…」
弱々しく笑う父はなんだかいつもより小さく見えた。
「そんなことないよ。もちろん寂しい時もあったけどね、私、毎日楽しかった」
「そうか…」
「お父さん、私、強くなるから。
それで、いつかお父さんが自慢できるような娘になる。
幸せにもなる。だから心配しないで?」
「琴葉……」
一筋の涙が父の頬を伝った。