PRINCESS story

一生?、と驚いたように尋ねると、奏斗が続けて言った。


「驚いたんだよ。
あの日の琴葉、本当に、誰よりも綺麗だったから」

「私…?」


その言葉が嬉しくも恥ずかしくもあり、私は話題を変えた。


「…そういえばね、お母さん、桜の葉が好きだったの」

「葉?」


「うん。桜って、花が散ったあと、葉っぱだけ残って葉桜になるでしょ?すぐには散らない、その強さが好きだって言ってた」

「そう考えると素敵だね。
琴葉の名前にもお母さんのそんな願いが込められてるのかな」


私の名前の由来…

お母さんがよく言ってたな…



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