PRINCESS story
今まで絶え間なく聞こえていたシャッターの音が嘘であったかのように、私たちの周りは静寂に包まれた。
「…まず、写真のことですが、写っていた男性は、僕の従兄にあたる和也です。
場所は王室内のテラスであり、深夜の密会などと言うのは作られた話です」
奏斗が、私が言いたいことを代弁してくれている。
ちらっと奏斗をみると、大丈夫だよと言うかのように、少し頷いてくれた。
「2つ目の記事については、妻の母が亡くなっていることは事実です。
しかし、その後に書かれていることは全て事実とは異なります。
妻は、自分勝手でもなければわがままでもない。
こんな僕をいつでも支えてくれますし、王室という慣れない場で、王子妃の役目を果たそうと努力してくれています」