PRINCESS story
「奏斗……ありがとう」
車に乗ってすぐ、私は言った。
気の利いた言葉は出てこないが、とにかく感謝の気持ちを伝えたかった。
「これくらい、どうってことない。
大切な人くらい守れなきゃ駄目だろ?
…男として、夫として」
そう言い切ってくれた奏斗は、いつもより頼もしく見えた。
でも、そんなこと言われたら、私、勘違いしちゃうよ……
「ちゃんと、盾になれたかな…」
「うん……奏斗のお陰で、私、傷付かなくて済んだ。
守ってくれて…ありがとう」