PRINCESS story
二人だけの聖夜
宮殿に戻るとすぐ、俺は、とある計画を実行するために琴葉に声を掛けた。
「琴葉、1日分の着替えだけ持って表に出てきて。車で待ってるから」
「えっ!?どこか行くの?」
「とにかく、今は何も聞かないで用意だけしてきて」
「……分かった…」
明らかに動揺している琴葉を置いて、俺は車に戻った。
「鈴野さん、今日は無理を言ってしまってすみません」
「いえ、これが私の仕事ですから。行き先は別荘の方で…?」
「はい」
「琴葉様、きっとお喜びになって下さると思いますよ」
「そうだといいんですけどね…」