PRINCESS story

「琴葉、多分今日が自分の誕生日だってことさえ、忘れてるんですよ。
忘れてるというよりも、そんなことを考える余裕がないのかもしれない…」



そう、今日、クリスマスイヴは琴葉の誕生日だ。

でも、琴葉は忘れているみたいだった。


朝、今日は何の日か俺が聞いても、琴葉は公務だ、としか言わなかった。


本当はプレゼントを渡して、おめでとうと言おうとしていたのに、本人が忘れているから出来なかった。


だから俺は、こんなことを急遽計画した。


“1日だけの旅行”を……



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