PRINCESS story

俺は琴葉に計画がばれないように、父や母に頼み、外泊を許可してもらった。


最初は反対していた2人も、姉が説得してくれたお陰で、許してくれた。



「お待たせっ」


公務の時の格好のまま、小さなボストンバックを1つだけ持って、琴葉は車へと走ってきた。



「どこ行くの?」

心配そうに琴葉が聞いてくる。


「まあ公務みたいなものさ」


「翔子さんに何も言わずに出てきちゃったけど、平気だったかな?」

「心配しなくていいよ」



意地悪だと思いつつ、驚かせたいが為に、俺は行き先をあえて言わなかった。



< 248 / 399 >

この作品をシェア

pagetop