PRINCESS story
俺は琴葉に計画がばれないように、父や母に頼み、外泊を許可してもらった。
最初は反対していた2人も、姉が説得してくれたお陰で、許してくれた。
「お待たせっ」
公務の時の格好のまま、小さなボストンバックを1つだけ持って、琴葉は車へと走ってきた。
「どこ行くの?」
心配そうに琴葉が聞いてくる。
「まあ公務みたいなものさ」
「翔子さんに何も言わずに出てきちゃったけど、平気だったかな?」
「心配しなくていいよ」
意地悪だと思いつつ、驚かせたいが為に、俺は行き先をあえて言わなかった。