PRINCESS story
疲れていたのか、琴葉は車の中で眠ってしまった。
そんな琴葉を見て、たまらなく愛しい、と思った。
こんなにも琴葉のことを愛しいと思える日が来るなんて、初めて会った時には考えてもみなかった。
今は側に居てくれるのが当たり前で、だからこそ、俺は不安なんだ。
琴葉が、俺のことをどう思っているのか。
その一方で、沙穂に対する気持ちを整理しきれていない自分に苛立つ。
俺は今、どうすればいいんだ?
どうすれば、一番、琴葉を傷付けなくて済むんだろうか?