PRINCESS story
「優しくされたら、勘違いしちゃうから。
奏斗のこと、好きでいてもいいんだって、そう思っちゃうの…」
琴葉がこんなことを思ってたなんて、予想もしていなかった。
好きだ、って言われて嬉しいはずなのに、結局琴葉を苦しめていたのは自分だったことに気付き、複雑な気持ちになる。
「もし気持ちを止められなくなったら、私、王子妃として奏斗の隣にいることが、辛くなる。
気持ちが大きくなったら、今みたいに傍にさえ居られなくなりそうで。
でも、そんなの嫌だから。
ちゃんと、奏斗が王になるまで、王子妃として支えたいって思ってるから」