PRINCESS story
「そうじゃない」
違う、違うよ、琴葉。
俺が言いたいのは、そういうことじゃないんだ。
「…琴葉、本当の夫婦になろう」
ゆっくりでいいから、本当の夫婦に…
琴葉の表情は見えないが、俺は続けた。
「本当はもっと早く俺の気持ちを伝えるべきだった。
でも、自分の気持ちが分からなかった。
それが最近、やっと、少しだけ分かるようになった気がするんだ。
だから、俺がちゃんと自分の気持ちを自分で理解できるまで、もう少しでいい。
時間がほしい」
自分でも、この気持ちをどう伝えればいいか分からないんだ…
勝手だよな、まだ待たせるなんて。