PRINCESS story
傷だらけの身体
学校のあと、王子としての仕事を片付け宮殿へ戻ると、今にも泣きそうな河西さんがいきなり俺に土下座してきた。
「王子、申し訳ありません!」
私のせいです。
と涙ぐみながらひたすら繰り返している。
「…どういうことですか?」
嫌な予感がした。
きっと、琴葉に何かあったんだ。
焦る自分を押さえて、冷静に聞く。
「琴葉に……何かあったんですか?」
すると、中野さんが言った。
「姫が…お帰りになられていません」
「えっ?」
「1人でお母様のお墓参りに行かれてから、連絡が取れません」