PRINCESS story
「…すごい熱だ……」
琴葉の身体は信じ難いほど熱かった。
俺を追いかけてきた中野さんと河西さんに向かって叫ぶ。
「医者を…医者を呼んで下さい!」
「王子…落ち着いてくだ…」
「いいから、医者を!早く!」
俺は琴葉を強く抱きしめた。
琴葉の存在を確かめるかのように。
琴葉、目を開けてくれ、お願いだよ…
琴葉がもし目を覚まさなかったら…?
最悪の想像が頭をよぎる。
「王子、中へ」
中野さんに促され、俺は琴葉を抱き上げ部屋へと向かった。