PRINCESS story
「…これ……何だよ」
俺は、思わず言葉を失った。
琴葉の腕に残っていたのは、無数の痛々しい打撲痕だった。
しかも、腕だけでなく、服に隠れて見えない足や背中にもその傷はあった、と河西さんが言う。
こんなに傷を負うなんて…
琴葉に何があったんだ?
明らかに、普通の怪我とは違う。
「……琴葉の目が覚めたら、僕が理由を聞きます…」
「王子…申し訳ありません…」
「琴葉と、2人にしてもらえませんか?僕がちゃんと側で見てますから」
「承知致しました」