PRINCESS story
「まだ熱下がってないか…」
汗を拭おうと琴葉の額に触れると、琴葉がゆっくりと目を開けた。
「…ごめん……起こしちゃった?」
琴葉は首を横に振る。
「…具合、どう?」
「……大丈夫……」
俺に心配させないためか、笑顔を作りながら、琴葉は言った。
大丈夫なわけないのに…
「……ごめんね」
「ん?」
「…心配かけて…」
「…うん……心配したよ、すごく」
「…ごめん……」
「とりあえず、良かった……
無事に帰ってきてくれて」