PRINCESS story

「琴葉…いつもこうやって、俺に本当のこと言って。
一人で何かしようとか、俺に心配掛けないようにしようとか、思わないでよ。
そんな琴葉見てるの、辛いから…」


俺の正直な気持ちだった。



「…本当に、無事で良かった」

「うん…奏斗、ごめんね…」


「もう謝らなくていい。
来年は、お母さんのお墓参り、一緒に行こうな」


琴葉が、力なく、でも嬉しそうに笑った。



「そうだ」

「ん?」

「今日のこと、王様や王妃様には絶対言わないで。警察にも……」


「…えっ?でも……」



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