PRINCESS story

「翔子さん」

「はい、姫、お呼びでしょうか?」


「あの…出来れば、キッチンを少し借りたいんですけど…」

「ご希望でしたら、手配して参りますが。
体調のほうは…?」

「もう大丈夫です、本当に」



ダメ元で聞いてみたのだが、翔子さんの手配のおかげで、使わせてもらえることになった。


「何にお使いになられるのですか?」

「バレンタインのお菓子を作りたくて。材料と、何かラッピングできるものってありますか?」

「確認して参りますね」

「ありがとうございます」


久しぶりに自分の時間が持てるようで、嬉しかった。


何を作ろうか…

考えるだけでワクワクした。



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