PRINCESS story
「……私を、殺す気かしら?」
ラッピングされた袋を眺め、笑いながら志保さんが言った。
「えっ?」
「毒入り?」
「まさか、そんなこと…」
「あなたならやりかねないわ。
だって、私が居なくなったほうが都合がいいでしょう?」
言葉の節々から、私に対する敵意が伝わってくる。
「ねえ、琴葉ちゃん。
あなた、私があなたと奏斗君をこの国の王子夫妻だと認めてるとか勘違いしてない?
私は、この国の王子にふさわしいのは和也だと思ってる。
だから、前も言ったけど、私はどんな手を使ってでも、あなたたちから王子の座を奪うわよ」