PRINCESS story

部屋を出た私の気持ちはいつになく沈んでいた。


王室に入ってから、どうしても志保さんにだけは私の存在を認めてもらえない。


悔しくてたまらなかった。

私だけじゃなく、奏斗までもが否定されることが、耐えられなかった。


どうすれば認めてもらえるのだろう?


「私は……どうすればいいの?」


出口のない暗黒の迷路に迷い込んでしまったかのように、答えのない問いに苦しめられる。




< 317 / 399 >

この作品をシェア

pagetop