PRINCESS story

送り主の欄には何も書かれていない。

その代わりに、段ボールの横に一通の手紙が貼りつけられていた。


私はそれを手に取り、開く。


「え……」


私の目に映ったもの、それは、信じがたい言葉の数々だった。



『お姫様、この間の事、忘れたのかな?
忘れてるようだから、もう一度だけ忠告しよう。

もし自分の命が大切なら、一刻も早く王子と共に身を引け。
王子がその座を降りさえすれば、これ以上傷付けはしない。
いいか、これが最後の忠告だ。』



この間の事、というのはきっと私が襲われた日のことだろう。


あの日の記憶が蘇ってくる。



これは……

私への単なる嫌がらせ?


それとも……




< 319 / 399 >

この作品をシェア

pagetop