PRINCESS story

「奏斗……これ、一緒に開けて」

「いいけど、何で?」


怖かった。


中に何が入っているのか想像もつかなくて、でも、もしこれが私に対する嫌がらせだとすれば……



「なんとなく1人で開けたくないだけ」

「…分かった」


奏斗は不思議そうな顔をしながらも、私の側に来てくれた。



「俺ここにいるから、琴葉が開けて」


恐る恐る、私は箱のガムテープをはがす。


気のせいかもしれないけれど、なんだか少し息苦しい。


思わず咳き込んでしまうと、心配そうに奏斗が私に聞く。



「大丈夫?やっぱり、まだあんまり体調良くないんじゃない?」

「大丈夫…」



でも、この息苦しさ…

あの時と同じ。



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