PRINCESS story
「うそ………」
箱を開けた瞬間、私も奏斗も、完全に言葉を失った。
入っていたのは…猫だった。
動いていないけれど、本物であることは見てすぐに分かる。
ショックとアレルギーの発作で、どんどん息苦しくなる。
「琴葉、とりあえず俺の部屋に行こう」
奏斗は私をすぐに自分の部屋へと連れていってくれた。
「大丈夫?先生呼ぶ?」
私はその問い掛けに首を横に振る。
「これくらいなら、大丈夫……」
奏斗のベッドに座り、呼吸を整える。
奏斗が心配そうに隣に座り、背中をさすってくれる。