PRINCESS story
「誰がこんなこと……」
奏斗が見たこともないほど怒りに満ち溢れた表情をしている。
「琴葉、本当に平気?」
「大丈夫」
「じゃあ、ここで待ってて。
あの箱、どうにかしないと」
奏斗はそう言うと部屋を出ていった。
1人になると、恐怖から震えが止まらなくなった。
誰がこんなことをするの……?
目的は奏斗の王子の座?
「まさか……」
この時、ある考えが私の頭に浮かんだ。
そうでないと信じたかった。
でも、もしかしたらこれは………
志保さんの仕業……
そう考えると全てのつじつまが合ってしまうのが怖かった。