PRINCESS story
「心配しなくていいよ。
ただ、眠らされてるだけだった」
「…良かった」
安堵した表情を浮かべる琴葉に聞く。
「心当たり、ない?」
「えっ?」
琴葉の目が泳いだ。
「誰が送ってきたかとか…他にも何でもいいから」
「…ない」
「本当に?」
俺は気付いていた。
琴葉は、この箱についていた手紙を俺に見せないように隠した。
絶対に、何かを隠していることは確かだ。
「琴葉、何か隠してるなら、俺には全部言ってほしい」
「……本当にないから…」