PRINCESS story

婚礼の間に私たちが到着した時、そこにはすでに王室の人が勢揃いしていた。



「これより、奏斗王子、琴葉姫の婚礼の儀を行います」



婚礼の儀…

どうやらこれは、親族だけの結婚式のようなもののようだ。


何もかもが自分のことでないように感じられ頭がついていかない…

こうしている今も、まだ悪い夢でも見ているのだ、どうか、そうであって欲しいと感じている自分がいる。




王様と王妃様の前に、私と彼が立つ。


「奏斗王子」

「はい」


「琴葉姫」

「…はい」



「今宵、2人は正式に夫婦となる。
これからは、いかなる時も支え合い、桜ノ宮王室の伝統を守っていくと誓えるか?」



王様が私たちの顔を見ながら言う。



「「…誓います」」






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